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2022年度第2回アキバテクノクラブオープンセミナーを開催しました      


講演の様子

2022/6/23  
2022年度
第2回アキバテクノクラブオープンセミナー

 
講師:古田 隆彦氏/現代社会研究所所長・青森大学名誉教授
テーマ:「人口波動で読む2050年」 


■ 人口波動で予測する世界のこの先 
  第2回アキバテクノクラブオープンセミナーは、現代社会研究所所長で、青森大学名誉教授でもある古田隆彦氏に人口社会学の研究成果に基づき、今後の人口減少とその先の展望についてお話しを伺いました。

 コロナ禍、ウクライナ危機を受けて、「予想より早く、2050年を境に世界の人口はピークを迎え、初めて減少に転じる」との予測が各国の研究者から発表されている。これに対し、人口減少は初めてではなく人類の歴史の中でこれまで何度となく起きていると古田氏は話す。
 個体数は容量の限界で増減する。動物は環境によってその数が規定され、環境のキャパシティを超えると減少することが、様々な研究・実験によって知られている。 人間はどうだろう。人口は容量がその環境の限界になると、一旦は減少に転じるものの、新しい文明によってふたたび限界容量を増やし、人口も増加に転じる。この増減による波のような動きを人口波動と呼び、これまでに石器前波、石器後波、農業前波、農業後波、工業現波の波が起きているという。
中世後期の波の動き(農業後波)と現在(工業現波)を比較すると、中世後期では、黒死病の発生を機に人口が減少し、世界はパクス・モンゴリカからポスト・モンゴリカの混乱・革新期へと移っていった。現在に目を向けると、コロナ禍を機に人口減少へと時代は動き、世界はパクス・アメリカーナからポスト・アメリカーナへと移りつつあり、中世期がラストミドルとすれば、現在はラストモダンの混乱期・革新期にあるのではないかと古田氏は考えている。
これまで人口の波が限界に達したときには新しい文明の萌芽がある。第1次では、それはヒト型の石器であり、第2次では文字の発明、第3次では宗教、第4次ではルネサンス、活版印刷と考えられる。では第5次の芽は何だろうか。古田氏はそれを「新しい情報化、モノ作りからコトづくりへの変化」「ル・ルネサンス」ではないかと話された。

■ 日本はこの時代の流れにどのように対処するのか
 人口波動という考え方で現在はどのような位置にあるのかという説明をいただいたところで、「それでは、日本はこの状況にどのように対処していくべきか」という点について次のように話された。
  世界の人口はいまだ増加傾向にあるが、そんな中でも人口が減少している国々がある。ブルガリアやラトビアをはじめとする東欧諸国で、それに続いて減少値が高いのが日本だ。
 いわば日本は人減先進国といっても良いだろう。現在政府が進めている少子化対策はなかなか成果が出ておらず、少子化対策に成功しているといわれているスウェーデンやフランスにしても数十年後には人口減少に転じると予測されている。そこで古田氏は、人口増加・回復ではなく、人口減少対応を目指すべきだと話す。
 人口が減っても安定した生活を送ることができるとなれば、人口は反転する。そのために、国際分業と自給の適正化、民主主義の再構築、市場制度の見直し、再配分制度の見直し、濃縮型ライフスタイルへの転換を行うことを提案された。

 日本は過去、江戸時代の元禄から享保時代にかけて、人口がいったんピークを迎え、田沼時代(明和〜天明期)に人口が減少した時代を経験している。その時に人減対策を行ったのが田沼意次で、その対策は人減を前提とした対策で、元禄型拡大から明和・天明型の濃密社会へ、米作中心から換金作物の拡大化、商業・流通による新興富裕層を税源化とした。これらの対策により、都市人口を抑え、地方人口を維持することに成功した。

 江戸時代の政策大転換に見倣って日本は人減対策に舵をきることができるのか。壮大な歴史の波を旅したようなセミナーとなった。

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