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2022年度第1回アキバテクノクラブオープンセミナーを開催しました
               


講演の様子

2022/4/14                                  
2022年度第1
回アキバテクノクラブオープンセミナー
 
講師:荻野健一氏/デジタルハリウッド大学大学院教授
テーマ:「文化知層による地域の聖地創生
〜秋葉原・墨田・鎌倉での活動を通じて〜」

■ 聖地の作り方  
 第1回アキバテクノクラブオープンセミナーは、
講師にデジタルハリウッド大学大学院教授、荻野健一氏をお招きし、「文化知層による地域の聖地創生」と題して講演いただきました。
 荻野先生は、これまでITを活用した地域活性化の携わる中で、地域メディアの本質は地域にメタデータを埋め込むことであり、聖地創生は文化の痕跡をつなぎ合わせ、物語化していくことだと考えるようになったそうです。
 「そもそも、聖地は初めからその場所にあり、それを物語としてコンテンツ化することで聖地として認知されるようになる」とおっしゃいます。例としてローマの休日で有名になった「真実の口」をあげ、 文化財をベースにした物語をその地を訪れる人に提供し、楽しんでもらうことが、その地域の魅力となっていくとおっしゃいました。

  荻野先生がコロナ前に視察したフランスでは、すでに観光地の物語を地域に埋め込む仕組みが政府の後援のもとで行われていました。その取り組みはターゲットとする文化財のみならず、周辺の宿泊・輸送、レジャーも含む総合的に多言語化された、誰もが楽しめる仕組みになっているそうです。
 具体的にはタブレットを観光客に貸与して、各地のポイントでタブレットをかざすとARで、その場所についての説明を見ることができるそうです。
 例えば、マリーアントワネットが幽閉された場所では、彼女が処刑される前に髪を切った逸話の説明がされます。首を落としやすくするために首を保護する髪が切られたわけですが、当時の騎士が長髪なのは首を守る目的があったという、当時の事情を知ることができるわけです。さらに各所でコインをVR上で集めるといったゲーム性もあり、子供も楽しめる仕掛けがなされているそうです。
 誰がどの場所でどのくらい滞在したのか、といった情報もタブレットから収集され活用されています。
 また、キュレーターが新しい視点で文化財をとらえることも大事だとも話されました。 フランスの博物館では、縄文土器の解説に、手塚治虫作品の一場面が使用されていたそうで、このような意識改革が今後の観光に必要だとのことでした。

(写真をクリックいただくと講演の様子がご覧いただけます)

講演の様子

■最近の活動から
  豊島区ではトキワ荘の保存とその活用に携わってこられました。地元住民の中には、トキワ荘に良いイメージを持ってない方もいて、当時を知る高齢者や、トキワ荘を知らない子どもたちへの丁寧な説明に時間をかけたということでした。トキワ荘で著名人の対談を行うなどの企画も好評だったとのことでした。
 弱虫ペダルとコラボしたつくばリンリンロードでは、360度カメラを使って弱虫ペダルの声優がリンリンロードを走る様子をライブで見せることを試みたがデータ量が多く、今後の5Gに期待すること大だとのことでした。
 またボーカロイド曲として一世を風靡した千本桜の公式絵師一斗まる氏らによる高精細イラストを展示した企画展を各地で展開する活動や、ゲームやアニメの聖地をコンテンツ化し、海外展開する試み、東国における運慶の創作活動をマンガ化しARで読めるようにする活動、鎌倉の北条一族の物語をマンガ化してARで提供するなど、さまざまな形で、コンテンツのナラティブ(物語化)アプローチを仕掛けていることが講演から伝わってきました。

■ 講演後の意見交換では
今回の講演会にお集まりいただいた方達からは、講演を聞いてワクワクしたとの声が多く聞かれました。さらに、自分のかかわった案件や、本日の講演で取り上げられた聖地についても、新しいアイデアやコンテンツのフカボリ、聖地コンテンツ周辺のベンチャーを育てるためのファンドが必要といった意見など話はつきず、予定時間をオーバーしてのお開きとなりました。

(写真をクリックいただくと講演の様子がご覧いただけます)

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