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  2016年度第5回アキバテクノクラブオープンセミナーを開催しました
               


講演の様子

2016/9/13
2016年度第5回アキバテクノクラブオープンセミナー
       
 
【モデレーター】
荻野 健一 氏 / デジタルハリウッド大学大学院 教授

【話題提供者】
鈴木 淳 氏 / 台東デザイナーズビレッジ 村長 
有薗 悦克 氏 / 株式会社サンコー 経営企画室 
桑野 和之 氏 / 毎日映画社  
坂本 久美子 氏 / 株式会社アトレ 営業課 主任 

    
テーマ:聖地巡礼の総本山アキバの蓄積に学ぶ!
       ― 聖地巡礼を通じた地域の活性化とは ―      

 

■ アキバに新たな聖地創出のヒントが
 

 ここアキバは、古くはラジオ、アマチュア無線のマニア達の聖地に、その後はマイコン、オーディオ、ロボット、ゲーム、アニメ、フィギュア、メイド、コスプレといった分野でオタクの聖地になり、それらが街に積層化しつつ共存し、世界中から巡礼者を集め続けています。

 2016年度第5回目のオープンセミナーは、このように、アキバの積層化された魅力を全国各地のニーズと結び付け、インバウンド観光客がアキバや有名観光地だけに留まらず、全国の聖地へと流れてゆく方策を探るべく、デジタルハリウッド大学大学院教授の荻野健一氏をモデレータ―とし、各地でそれぞれの分野の聖地となることを目指して活動しているアクティブな方々に話題提供をいただき、ストーリーづくりを含めた広報戦略や、地域資源の活用方策など、シティプロモーションにつながる議論を深める場となりました。

 はじめに荻野健一氏より、巡礼者を惹きつける聖地が生まれるまでのプロセスや、今後の新たな聖地創出に欠かせない視点等について、アキバをロールモデルとして参照しつつ、コンセプチュアルな図解と共にわかりやすく説明いただきました。

 あらゆる文化が渦巻く「カオス」の段階から、キュレーション(集積)、クリエーション(価値創出)、コラボレーション(連携)、コミュニケーション(発信)といった諸相を経て、聖地化へ至る「気づき」の段階へと進展することが、アキバに積層する諸文化の事例からも見て取れるとのこと。東京五輪以降での新たな聖地創出に向け、各地の伝統文化と現代技術をクリエイター視点で結び付け、事業共同体としてのプラットフォーム機能や共同出資機構としてのファンド機能によって育ててゆくことが鍵となりそうです。


(写真をクリックいただくとご講演の様子がご覧いただけます)

■ 巡礼者を惹きつけるべく奮闘中
 
 次に、各地で聖地化に向けてアクティブに活動されている4名より、話題を提供いただきました。

 一人目は、台東デザイナーズビレッジ村長の鈴木淳氏です。「台東区カチクラをクリエイターによってモノづくりのマチに」をテーマに、御徒町と蔵前に挟まれた、江戸時代よりモノづくりが盛んな地区を舞台に、グローバルに通用する高付加価値の「モノ」を創造してゆきたいとの抱負をいただきました。小学校の廃校を活用した台東デザイナーズビレッジを核とし、モノづくり現場の楽しさを伝えるイベント、「モノマチ」での活動経験が大きな糧となっているようです。

 二人目は、株式会社サンコー経営企画室の有薗悦克氏です。「聖地巡礼を通じた地域振興−墨田区の場合−」をテーマに、印刷工場の一部をクリエイター専用のシェアオフィスとした「co-lab墨田亀沢」の事例を中心にお話しをいただきました。モノづくり職人とクリエイターとの化学反応を生み出す場は、年間1000人もの見学者を惹きつけるまでに成長し、これまで裏方に徹することの多かった職人の皆さまも、社会で注目されることで自らの仕事に誇りが持てる好循環が生まれているとのこと。

 三人目は、毎日映画社の桑野和之氏です。「アニメの舞台へ、ようこそ日本」をテーマに、埼玉を舞台とする4つのアニメ作品を活用し、舞台となっている街を各声優が紹介する放送番組の制作プロジェクトについてお話しいただきました。2017年4月にテレビ放送が予定されている台湾からの観光客が、埼玉に続々と集まってくることを期待したいですね。

   最後の四人目は、株式会社アトレ営業課主任の坂本久美子氏です。「アトレ秋葉原『駅から街へ』プロジェクト第一弾」をテーマに、人気キャラクターのアトレオリジナルコンテンツを活用しつつ、スタンプラリー等を通してアキバの最新施設やメイドカフェ等へとアトレから誘客する試みについてお話しいただきました。今年7月には、マレーシアのクアラルンプールでアキバ紹介のイベントを開催し、好評だったとのこと。海外のアキバファンが更に増えてゆきそうですね。

 引き続いて行われたパネルディスカッションでは、大都市圏における地方初コンテンツの?を通した地方への誘客の可能性、オープンイノベーション型のモノづくりにおけるリスク負担の在り方、人気コンテンツに頼らずにモノづくりの本質的部分でまず差別化を図る必要性、地域のブランド化に後押しされたモノづくりの強み等、各地で聖地化に向けて日々奮闘されている方々ならではの、深―いご意見が飛び交い、その熱気は、懇親会へとつながってゆきました。今後も、聖地巡礼をテーマに、そのメッカであるアキバでの更なる議論の盛り上がりが期待されます。

(写真をクリックいただくとパネルディスカッションと懇親会の様子がご覧いただけます)

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