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  2013年度 第1回アキバテクノクラブオープンセミナーを開催しました
               


ご講演

2013/4/18 
2013年度第1回アキバテクノクラブオープンセミナー
          (第1回東京まち歩き研究会)

 【講演】
  『まち歩きと地上への視点』    
   石川 初氏
  (株式会社ランドスケープデザイン設計部 
  プロジェクトリーダー/GPS東京ナスカ絵作者)
  

■地形のレントゲンで炙り出される都市の記憶


 平成25年度第1回目のオープンセミナーは、自転車にGPSを搭載して街を巡り、電子地図上に絵を描く、東京ナスカ絵作者としてのユニークな活動により、あのタモリクラブにも出演をされた石川初氏に、都市や地域の理解に向けた「地形」の位置づけや、街歩きツールとしてのGPSの可能性についてお話をいただきました。

 起伏に富んだ街並みを有する東京の空間基盤のひとつとして、谷戸に特徴付けられるスリバチ地形は、坂道を歩く時に身体で感じる「ミクロ」領域か、もしくは、電子地図の解析を通した「マクロ」領域で把握されることが多いとのこと。

 石川氏は、この2つの領域の中間を成す、不可視な「メゾ」領域での地形の認知に向け、フィールドワークを開始されました。  そこで有力なツールとなるのが、国土地理院による最新の5Mメッシュデータ。10cmの高低差も把握可能なため、「地形のレントゲン」のように解析を施すことにより微地形が炙り出され、かつて都市に流れていた川の痕跡を「メゾ」領域で把握できることが、鮮やかなグラフィックで一目瞭然となっていました。

(写真をクリックいただくとご講演の様子がご覧いただけます)

■ GPSと共に街へ出よう!

 高解像度での地形分析によって土地に残された痕跡が炙り出されるのと同様、精緻な活動ログの蓄積と分析によって、都市を舞台とする各アクターの活動特性が炙り出されるのではという感覚に沿って、石川氏はこの10年間、常にGPSを身につけ、データを蓄えられてきました。

 その分析からは、慣れ親しんでいるはずの地元の街でも社会インフラに沿った線的行動が大半を占めることや、速度記録を反映した図示化によって駅等のノード的社会インフラが炙り出されることなど、直感的に捉えられる日常活動の特性が、データを通して明瞭かつユニークに裏付けられるものとなっていました。  

 また、猫にGPSを取り付けてその活動を把握する「ネコログ」により、社会インフラに制約されることの少ない猫の活動特性が見て取れることは、都市活動に関わる微笑ましくかつ斬新な視点として大いに刺激されます。

 都市活動ログ分析のパイオニアである石川氏としては、多くの賛同者がGPSと共に街へ出ることで、集合的な活動ログが蓄積され、その分析によって、都市活動の特性や課題を見出すことにつながるのでは、と次なる展開を好奇心いっぱいに語られ、懇親会でも街歩き愛好者の心を惹きつけて止まないのでした。

(写真をクリックいただくとご講演&懇親会の様子がご覧いただけます)

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