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  第46回アキバテクノクラブ交流会を開催しました
  (共催:秋葉原先端技術実証フィールド推進協議会)


ご講演

■ 「セカイカメラ」の誕生背景

 第46回交流会は、『セカイカメラによる新しい世界観の創造と今後の展開』と題して、
株式会社ゼンリンデータコム取締役 出口貴嗣氏に「セカイカメラ」というアプリケーションができるまでの背景部分を、頓知ドット株式会社代表取締役 井口尊仁氏に具体的な「セカイカメラ」のコンセプトと機能の概要や開発状況などの説明する形で講演いただき、その後恒例となった妹尾先生とのトークセッションという形で議論を行いました。

 出口氏は物事を検索するとき、図書館で行っていたものが、インターネットの登場により検索エンジンを使うようになっているが、今回紹介する「セカイカメラ」は、iPhoneのカメラを周囲に向けるだけでカメラのファインダー画像の実際の風景の中に、エアタグ(Air Tag)と呼ばれるタグがシャボン玉状にプカプカと浮かび、その場所に関係する情報や誰かがその場所に残した情報をそのタグを経由することで、いつでも自由に閲覧することが出来るという画期的なもの。今後の物事の検索とか人間の行動が全く変わってしまう程のインパクトがあると解説された。

(写真をクリックしていただくとご講演の様子がご覧いただけます)

ご講演

■ 「セカイカメラ」の可能性

 次に井口氏から、「セカイカメラ」の紹介に入り、「セカイカメラ」の背景にある技術分野はAR(Augmented Reality/拡張現実)という分野であり、リアルとバーチャルを融合する技術として昔から研究されていたもので、従来はリアルとバーチャルを各々のフィールドにいながらにして感じる程度のものだった。しかし「セカイカメラ」は携帯電話やスマートフォンの発展により、これまでのAR技術に社会システム(Social)機能と楽しみ(Fun)機能が付加されることとなった。その結果、現実空間にバーチャルが入り込んだミックスドリアリティ(Mixed Rality )とでも表現できる、画期的な空間というか世界を提供するプラットフォームができたと自負している。
 エアタグはGPS情報とコンパス情報によって、特定の場所と密接にリンクするところに大きな意味がある。場所と結びつくものとしては、テキスト、写真、音、声、映像、ウェブなど様々な要素が考えられる。エアタグを通じて人は様々なツールにアクセスできる可能性を秘めている。つまり、現実空間の中にデジタルネットワークを生み出していく可能性があるということで、今後エアタグを通じてクラウドにアクセスすることで、そこには無限の新しいサービス可能性があり、個人的な体験の次元が変化していく可能性を予感している。
 すでに京都太秦の映画村や飛騨高山の白川郷などで実証実験も進められ、導入実績としてもLOEWEのショップやフランスのラ・ビレット(科学技術博物館)などがあり、子供向けの教育ツールとしても好評を博している。今年のCEATECでは産総研のヒューマノイドロボット未夢とのコラボ実演も行っている。
 また、アップルストアでのダウンロード数で日本発のソフトウエアとしてはトップの記録(4日間で10万ダウンロード)を持っていて、秋葉原地区では多くのユーザーがエアタグを残していて、今後の盛り上がりに期待したいとのことであった。ユーザー次第で新しい夢のあるセカイが今後も展開されそうである。


(写真をクリックしていただくとご講演の様子がご覧いただけます)

トークセッション

■ ぶっちゃけトークセッション?!

 講演終了後には6台のiPhoneが会場に配られデモが行われ、会場は興奮状態に・・・。その状況は休憩時間も続き、後半のトークセッションでは講師のお二人に、妹尾先生も交え、この興奮状態のまま熱い議論が行われました。
 日本も欧米もAR先進国だが、ARコンソーシアムに日本のARカンパニーが1社も入っていないことを井口氏は危惧され、実際に引き合いがあるのは要望もはっきりしていてフットワークも良い海外の通信会社やメーカーとのことでした。
 ソーシャルメディアとしてのマーケットは4億ユーザーと言われているが、「セカイカメラ」もグーグルの様に便利に使われることが基本で、いかに空間をエレガントに見せ、エンターテイメントについてもどういうコンテンツを作るかが課題であり、日々ものづくりの世界で奮闘しているが、アメリカと日本のVCを比較すると、リスキーとクレイジーさを評価してくれるアメリカのVCとの方がビジネスを進めやすいとのことで、日本でベンチャーが育ちにくい一端を感じました。
 最近「技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか」でベストセラー著者となった妹尾先生が、三位一体型戦略の考え方から見て「セカイカメラ」の持つ広い意味での知財についてアップルの戦略を超えられるかといった問いかけに対して、この分野では特にヨーロッパから新しい技術や製品が誕生していて競争が激化していること、世界規模のユーザー数(例:Twitterはユーザ数が5千万人)を獲得することでデファクトとしての標準となりたいと井口氏は答え、まさに本年度のアキバテクノクラブ交流会のテーマのケーススタディそのものの内容の濃い議論となり大幅に時間延長の交流会となりました。

(写真をクリックしていただくとトークセッションの様子がご覧いただけます)

懇親会
■ 懇親会も熱く盛り上がりました!

 トークセッションの最後には、会場からの質問への回答で、井口氏が美術館やカーナビや医療機関などネットと位置がわかるデバイスとエアタグを組み合わせることで相当オモシロイことができ、家電と組み合わせた万能リモコンも可能との興味深い話題が続き…
議論は懇親会会場にも持ち越され、今回のテーマに惹かれて参加した13階の東大の竹内研究室の卒業生と大学院生の未踏ソフトウエアのスーパークリエーター3名と井口氏、妹尾先生を囲んで議論が続き、参加者全員久しぶりに「ワクワク感」を感じた交流会となりました。
  そして、次回の懇親会は忘年会バージョンとなりますので、皆様どうぞご参加ください!

(写真をクリックしていただくとPRタイムの様子がご覧いただけます)
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