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  インテレクチャルカフェシンポジウム2009
  


■「脳科学」と「知識の融合」による、新たな価値の創造

 「インテレクチャルカフェシンポジウム2009」が秋葉原ダイビル2Fコンベンションホールにて6月17日開催されました。
 インテレクチャルカフェとは、「異分野技術の融合、知識の融合活動の「場」の創出を通じて、組織または地理的な境界や文化の壁を越えて関係者が知的交流を深める契機となるもの」と称して経済産業省産業技術環境局技術振興課が奨励する施策の一つで、活動事例39件の1つとしてアキバテクノクラブも紹介されているものです。
  http://www.intellectual-cafe.jp/pdf/example3_jp.pdf

 さて、今回のシンポジウムは「脳科学」をテーマとしており、基調講演では、脳科学者の茂木健一郎氏が「脳科学の未来」と題する講演をされました。
 茂木氏は「マスコミで取り上げられている脳科学の成果は、その一端であり、もっと奥深いことを皆さんにお伝えしたい」と熱く語られました。
 茂木氏が取り上げられた脳科学の話題は、「サバン」と呼ばれる異常な記憶力を持つ人の描いた絵と一般人の絵との比較から「人間の記憶が編集されている」ことや、「ひらめき」までの仕組みを解明しようとする試みなど多岐にわたりました。さらに話題は神経経済学にまで及び、「1クリック」を引き出すために、例えば、ブログの更新をどのような頻度で行うのが効果的かといった検証など、インターネット検索の世界に脳科学の応用が期待できることなど、脳科学の可能性とはこんなところにもあるのかと思わせるものでした。
つづいての特別講演は「流れのあるところに渋滞あり」を掲げて、ありとあらゆる渋滞を数学的な手法で解明されている西成活裕氏の講演でした。この数学的な手法である、ASEP(Asymmetric Simple Exclusion Process 非対称単純排除過程)は、元々遺伝子関係の学会誌に発表された手法であったそうですが、遺伝子から車の渋滞、はては神経細胞上の渋滞、インターネットの渋滞まで解き明かす学際分野横断的な方法論として、世界的に注目を集めているとのことでした。
事例として取り上げられた車の渋滞解消実験では、渋滞発生時に前の車との車間距離と走行速度を下げることで、渋滞が解消されるという実証実験結果の動画での紹介はまさに説得力があり、素人の参加者でも納得できるものでした。西成氏は、最後に、長期的視野をもつことと、学際分野横断的な視点をもつことが大事であると述べられました。
午後は、脳科学が産業界にどのようなイノベーションをもたらすのか、脳科学を活用しようとしている企業からのプレゼンテーションや、各界の一人者を招いてのパネルディスカッションが行われました。脳科学が日本の産業界を牽引する分野となることへの期待が膨らむシンポジウムでした。



 

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