■ 観光立国とは?!
今年度最初の交流会は、観光庁 観光地域振興部 観光資源課長の水嶋氏に観光政策と観光立国の視点から見たアキバへの期待についてご講演いただきました。
観光という言葉は、「すっかり観光地化されてがっかりした」などネガティブな意味で使われることが多いが、その語源は、中国の易経で、その国の光(文化)を観たり観せたりすることが国を治める上で大切だという教えがあり、150年ぐらい前に日本にも伝わりました。
20世紀の外交は、軍事力や経済力を用いるハードパワーの外交で、21世紀は情報や文化発信によって国際的な地位を高めるソフトパワーの外交と言われ、国際的な視点からも観光が重要とされています。
観光立国の考え方の1つには、将来の人口減少に向けて、定住人口が減るのであれば、交流人口を増やして日本の地域社会経済を活性化させようという戦略があります。地元の人が住んでいて気持ちのいい街、住みたい地域づくりが国内外の観光客を呼び込む結果となり、「住んでよし、訪れてよし」の国づくりが観光立国の本質となっています。
観光立国としての政策は、2010年までに訪日外国人旅行者数を1000万人とするなどの目標を掲げた観光立国推進基本法(2007年1月1日施行)の推進によって、具体的には2003年にビジット・ジャパン・キャンペーンを開始して、2008年には訪日外国人旅行者数835.2万人(2003年は521.2万人)とするなど成果が現れています。
そのような状況の中、「国全体として、官民を挙げて観光立国の実現に取り組む体制が必要」との考えから、昨年10月国土交通省に観光庁が発足しました。開かれた観光庁を目指して、6名からなる「観光庁アドバイザリー・ボード」を設置したり、「YOKOSO!
JAPAN大使」として39名任命したり、観光と地域振興を結びつけるべく観光カリスマを選定して観光カリスマ塾を開催するなど国内外へ日本の魅力を発信し続けています。さらに、歴史教育も郷土の愛着も深まる地域の子供ガイドの活躍ぶりも興味深いお話でした。
そして観光立国とアキバの関係性についても、訪日外国人旅行客の購入したい品目の上位10位までにデジカメや玩具・キャラクターグッズ、漫画本、音響製品など秋葉原関連グッズ?!が登場し、世界に向けた家電・電気とポップカルチャーの発信地として期待されています。
(写真をクリックしていただくと会場の様子がご覧いただけます)
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