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  第39回アキバテクノクラブ交流会を開催しました
  (共催:秋葉原先端技術実証フィールド推進協議会)


ご講演

■ EVショック?!

 今回の交流会は、「EV=電気自動車の普及がもたらすショック」と題しまして、自動車評論家であり、日本EVクラブ代表でもある舘内 端(たてうち ただし)氏にご講演いただきました。

 EVのデモンストレーションとして行った東京から洞爺湖まで5日間かけて850kmのEV自動車での旅では、電気代1,713円(使った電気85.65kwh)、CO2排出量35.12kgに対して、ガソリン車の場合だと、ガソリン代が12,956円(使ったガソリン75.3l)、CO2排出量174.6kgだったそうです。この差がいわゆるEVショックでしょうか?!実は乗用車よりトラック等の商用車の方がもっとショックは大きいそうです。

 EVなのにCO2を発生するのは、東京電力の場合、原発と水力発電と火力発電のミキシングによる電力供給のため、年平均0.425kg/kwhのCO2が発生するそうです。深夜電力で充電すると、原発なのでCO2排出量は0に近くなるとのことですので、なるべくこちらがお薦めです。燃料代としても、深夜電力で充電すると、ガソリン車の約1/13で、昼間電力での充電でも約1/4となるそうです。この事実もEVショックですね!

 EVの開発動向としては、三菱から夏頃、富士重工から年末頃に軽自動車タイプで発売予定です。ただどちらも企業向けで、たとえば三菱は価格が400万円で、企業向けに2000台発売予定とのことですが、すでに4000台ぐらい注文があるという噂もあり、個人向けは来年以降になるのではないかと予想されているそうです。日産は、来年の秋頃に小型車タイプで世界中に販売予定で、トヨタは、ハイブリッド車からエンジンをはずせばEVになるのでやや有利ですが、2012頃アメリカで発売予定とのことです。
 オバマ大統領のグリーンニューディール政策での次世代車の推進によってハイブリッド車やEVが注目されるのは必至であり、全世界の自動車メーカーが大競争時代を向かえ、日本のメーカーも安泰とはいえないようです。

(写真をクリックしていただくと会場の様子がご覧いただけます)

トークセッション

■ EVは高級車?!

 もしすべて電気自動車になったとしたら、発電所や原発が足りなくなるのではないか?という疑問に対し、計算上は、現状の発電所の数で間に合うとのお答えで安心しました。また、充電という概念から電池の交換の様にチャージではなくエクスチェンジする方がなじみやすいとのご意見に対しては、耐久レースの時には電池交換しているとのことですが、重くて(約200kg)いまのところ簡単ではないそうです。
 やはり電気自動車では電池の価格が重要になってきますが、もっと早くもっと快適により遠くへという要望からリチウムイオン電池となっているそうです。

 次にEVのイメージですが、力強く発進して、加速がよくて、静かであることが従来の高級車の要件とのことですが、エンジン車で可能にするにはV12で6Lのエンジンとなるのに対して、EVに搭載するモーターはかなり小さくて安くて済むそうです。ということでEVは力が強くて加速が良くて静かなので、まさにEVそのものが高級車!だそうです。

 そして、EV普及の動向ですが、ヨーロッパではCO2排出量規制が厳しく、1km走る時のCO2排出量を120gとしていて、燃費では19.3km/lとなり、これが企業平均燃費でオーバーすると罰金が発生するという状況を踏まえて、舘内氏は、EVは走行中はCO2排出しないし、ヨーロッパでは火力発電時のCO2は地中処理をするので、ヨーロッパで先にEVが普及するかもしれないとの見解を示されました。
 その見解を受けて、妹尾先生もEVに関する標準化をヨーロッパで抑えられたら、日本は出遅れてしまうが、日本の自動車業界はイノベーションジレンマで、なかなか大手メーカーはEV生産には乗り出せないであろうという興味深い分析をされました。

 そして、前回の交流会から妹尾先生が投げかけていた問題…自動車産業界の心配は、リーマンショックでも、若者の自動車離れでもない!の答えは、このEVの脅威に気づくべき!とのことでした。舘内氏によると日本のジャーナリズムも自動車メーカーもこれらの問題点の解決策は、ハイブリッド車開発と高性能燃料電池の開発が最重点課題であり、急に出現したEVに対応しきれていない感があるそうです。
  またハイブリッド車開発に関わった電池会社が電池の改良で利益体質になったこと、ハイブリッド車の製造自体が難しいため日本メーカーの独擅場となっとことなどがEV開発と普及の足かせになったとのことで、このような環境の変化は、ここ5年の動きだそうです。ということでどんなに隆盛を極めた業界であっても、常にアンテナを張って新しい技術を世の中の動向をキャッチアップしていかないと21世紀には生き残れないようですね。


(写真をクリックしていただくと会場の様子がご覧いただけます)

懇親会
■ 懇親会も楽しく!

 トークセッションの締めくくりで、産業論として啓発して行きましょう!という共同声明?!を出された舘内氏と妹尾先生の熱いトークの続きは、懇親会@交流ゾーンへと引き継がれました。
 舘内氏の自動車評論の読者でいらしたメンバーの方も多いのではないでしょうか。名刺交換をしながら談笑されるシーンも多々あり、自動車論議で盛り上がった懇親会となりました。

(写真をクリックしていただくと会場やPRタイムの様子がご覧いただけます)
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