映画×ゲームの新エンターテイメント?! 今回は、小学館キャラクター事業センターセンター長で、日本知財学会理事でもあり、ポケモンの仕掛人、エグゼクティブプロデューサーの久保雅一氏にご講演いただきました。 なんと、ポケモン関連マーケットは世界総額3兆円規模(株式会社ポケモン2006年発表)で、テレビアニメとして世界70カ国以上で視聴された実績があり、まさに世界展開されています。 いまや、日本生まれということわからないほど世界の子供達に浸透しています。 では、お家元?!日本ではどのような戦略でテレビアニメや映画を展開しているのでしょうか?映画前売券の購入者に大手GMSやトイザらスにてゲームキャラクターをプレゼントしたり、映画10周年となった2007年度は、無線環境を試行錯誤の上、主役キャラクターを劇場で観客のゲームへ無線ダウンロードしたり、子供達が喜びそうな仕掛けがいっぱいです。また、全日空のポケモンジェット4機や愛地球博のポケパークや2万7000人程参加する人気の駅スタンプラリーなど様々な産業ともコラボレーションされています。 また、UDX4Fのアニメセンターについては、外国人や修学旅行生や家族連れを対象にしており、来場者数は年間30万人以上でうち海外からも1万人以上来場。行政の助成なしで民間企業38社のTACファンド出資とゴールドサポーター23社の出資で運営されていて、声優アワードや経産省のコンテンツフェスティバル協力などを行っている。 (写真をクリックしていただくと、会場の様子がご覧いただけます)
《トークセッション》 現在の日本アニメの課題 妹尾先生(東京大学特任教授)とのトークセッションでは、日本アニメの課題のひとつ「ファンサブ」が話題となりました。 ファンが無許可で外国語字幕を付けた映像を送信するものですが、法的手段がなく、海賊版サイトに削除申請の毎日とのこと。 顔認識と同じ方法でフィルタリングすることで海賊版を検索するなど技術的な対策や、関係省庁と一緒に原作元や流通元などと連絡会をスタートさせて対策体制づくりを行ったりしているが、おもしろいのは、有能なファンサバーの正規版製作へ参加要請。 束縛されたくない彼らをその気にさせるのはなかなか難しい様子ですが、能力の活かし方として注目です。 また3D-CGアニメについては、日本ではアメリカの様に経済的にも人的にも膨大な研究コストをかけることができず、技術的に遅れているのが現状とのこと。特に3D化が難しいのは髪の毛や服のしわ、炎・煙・水などの流体で、演出ソフトウェアについて今後の技術開発に期待です! (写真をクリックしていただくと、トークセッションの様子がご覧いただけます)